12月1日、福岡市で演劇を招聘する制作会社ピクニックにお勤めの、取締役プロ
デューサー堀英明さんをお招きして、演劇の製作をめぐる貴重なお話を伺いました。
職業への関心は、大学時代の卒論から始まったということです。レコードとは何か?
どれも同じ形をしているし、黒い塩化ビニールの材料費はたかが知れている。それな
のに、そのなかにある何かを求めて、高いお金を出してそれを買う。これはいったど
ういうことだろうかという素朴な疑問が、そもそもの始まり。
情報を収集することと、人間関係をひろげること。これがプロデューサーに必要な
ことだと、堀さんはおっしゃる。それには現場に足を運ぶことだとも。パッケージさ
れた舞台を福岡に招聘するという仕事柄、東京で製作されている舞台の関係者に会
い、いろいろな情報を得ることができる。そのなかから、必然的に何をすればいいか
がわかってくる。
ピクニックのスタッフを入れる際に、選考の基準はという質問に、予想に反して、
きちんと挨拶ができる人、というあっさりした答えが返ってきました。だって、返事
もしないでいると、何考えているかわからないからいやじゃないですか。なるほど、
ハッキリしています。
10万円しかなかったら、どういう宣伝をしますか、と聞くと、規模はどのくらいで
すか?この会場くらいの50名規模。ぼくなら、チラシじゃなく、それぞれに5千円あ
げて話してこいといいます。やっぱり、口コミがいちばん強いです。新聞広告はぜっ
たいしません、効果がありませんからと、堀さんは言い切りました。
学生にとっては、プロデューサーという仕事が何なのかあまりイメージできなかっ
たのか、質問に困っている様子がうかがえました。2年の古城さんの質問が、スト
レートでした。「チケットの料金はどうやって決めるのですか?」いろいろな必要経
費を全部出します。それを、たとえば300席の劇場で3回公演すると900席ですから、
単純に割れば料金が出てきます。ただ、現状では、そういうふうに合理的にではな
く、慣習に従って料金を設定していることが多いと思います。
現場のお仕事ならではのお話しが聞けて、とてもタメになりました。最後に、この
仕事を学生たちに薦めますか?という質問には、ちょっと考えながら、現状のように
会社の一員でなく、もっと個人としてハイリスク、ハイリターンの仕事ができる状況
になれば、ぜったいおもしろい仕事だと思います。考えさせられる答えであった。
状況を変えるには、優秀なプロデューサーが育つような環境が必要だが、待ってい
てはいつまでもそういう状況は生まれないだろうと、お話を聞きながら、思った。学
生の中から、ひとりでも優秀なプロデューサーが育ってくれればと、願わずにはいら
れません。
(文責・梁木靖弘)
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